ネトゲ人格と宮部みゆきさん
宮部みゆきさんの本は、実は一冊も持っていないのです(ファンの方、ごめんなさい)。
なんと言いますか…相性って、ありますよね。
でも、雑誌で拝見すると、『うまいなぁ…文章表現』とつくづく感動します。
先日、サンデー毎日で連載されている 「悲嘆の門」(英雄の書の続編だそうです)に、
心につきささる一文をみつけました。
氏ね、とウェブ上に書くことは、そのひとをむしばむ、というのです。
社会でふつうに穏やかに生きていて、自宅でウェブにひどい書き込みをする。
そのとき、ほんとうの自分とちがう、「ネトゲ人格」 「ネット人格」だと思っているかもしれない。
自分だとばれていないかもしれないけれど、
キーボードで 「氏ね」 と書いたことは、自分自身に必ず影響する。
誰よりも自分が、「氏ね」 と書いたことに影響される。
…こういう内容の文章でした。
私が、ずーっと違和感を感じていたことが、ズバリと表現されていました。
「人は、多面体である」というのは、私の持論ですが、
あの場所での私、この場所での私、と、切り分けることは出来ない。
私は、一人だから。
知らず知らず、染み出してくるものがあり、そのことは敏感なひとなら気づいてしまう。
ネトゲ上で、ネット上で、すさまじい言葉づかいや感情表現をしているひとは、
どうして自分がそんな表現をしてしまうのか、
見つめてほしい。
乱暴な気持ち、凶暴な思い、淫猥で陰鬱な気分、呪わしい悩み…
そういう 「陰」 な部分ももつ自分であると、逃げずに見つめるところから、
自分の足で歩きはじめる人生が、始まるのではないでしょうか。
ずーっと抑えて隠しつづけると、いつか爆発してしまうかもしれない。
自分の多面性とうまく付き合うこと、認めて少しずつ出してあげるほうが(少しずつですよ)、
安全ではないかしら、と思うのです。
2012-10-22 08:16
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