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ネトゲ人格と宮部みゆきさん


英雄の書(上) (新潮文庫)

英雄の書(上) (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 文庫


宮部みゆきさんの本は、実は一冊も持っていないのです(ファンの方、ごめんなさい)。
なんと言いますか…相性って、ありますよね。
でも、雑誌で拝見すると、『うまいなぁ…文章表現』とつくづく感動します。

先日、サンデー毎日で連載されている 「悲嘆の門」(英雄の書の続編だそうです)に、
心につきささる一文をみつけました。

氏ね、とウェブ上に書くことは、そのひとをむしばむ、というのです。

社会でふつうに穏やかに生きていて、自宅でウェブにひどい書き込みをする。
そのとき、ほんとうの自分とちがう、「ネトゲ人格」 「ネット人格」だと思っているかもしれない。
自分だとばれていないかもしれないけれど、
キーボードで 「氏ね」 と書いたことは、自分自身に必ず影響する。
誰よりも自分が、「氏ね」 と書いたことに影響される。

…こういう内容の文章でした。

私が、ずーっと違和感を感じていたことが、ズバリと表現されていました。

「人は、多面体である」というのは、私の持論ですが、
あの場所での私、この場所での私、と、切り分けることは出来ない。
私は、一人だから。
知らず知らず、染み出してくるものがあり、そのことは敏感なひとなら気づいてしまう。

ネトゲ上で、ネット上で、すさまじい言葉づかいや感情表現をしているひとは、
どうして自分がそんな表現をしてしまうのか、
見つめてほしい。
乱暴な気持ち、凶暴な思い、淫猥で陰鬱な気分、呪わしい悩み…
そういう 「陰」 な部分ももつ自分であると、逃げずに見つめるところから、
自分の足で歩きはじめる人生が、始まるのではないでしょうか。
ずーっと抑えて隠しつづけると、いつか爆発してしまうかもしれない。
自分の多面性とうまく付き合うこと、認めて少しずつ出してあげるほうが(少しずつですよ)、
安全ではないかしら、と思うのです。
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