水玉のプリンセスは死ぬまで描きまくると言った 草間弥生さん
増殖、ということばがいちばん似合う、彼女の作品群、
それをわたしはずっとこわいと思っていました。
彼女が精神病であること、写真に撮られるとき目をむき出しにすること、
作品が終りのない悪夢のように見えて、作品を生み出す場面を勝手に想像して、
こわくなっていたのです。
今、ブラウン管のむこうの彼女は83歳、
精神病院に居住し、アトリエと往復し、アシスタントと支援者に支えられて、
世界中を回る作品展のための創作に励む。その姿がNHKで放映されている。
壮絶である。
ゆらぐ精神と、ぐらんぐらんする頭、固まって痛くなる身体、足、「痛い…」と言いながら。
そんな中、不自然な姿勢のままカラーキャンバスを目をむき出しにして見て、見て、見て、
筆がぐいぐいと進んでゆく。
空間を、埋め尽くしてゆく。
そこに、弱弱しさは一切なかった。
彼女の創作を観られてよかった。
彼女の考えの一端を、聴けてよかった。
「絵を描くだけじゃ、人は来ないよ」
「私は水玉に平和の意味を重ねて、世界を埋め尽くすという考えを言うから、
人が集まる。夏目漱石だってそう。語り続けられるものには、考えがある」
言い放つ。
彼女は、絵描きであり、グローバルに展開して結果を残せるビジネスマンであった。
一流の、国際的に活躍できるDNAは、正しく村上隆さんに継承されていることがわかる。
日本女性の大先輩である草間弥生さん。
強い強い思いは、明確な明確な思いでもありました。
「死ぬまで描くよ。世界に、名前を残したい。いい絵を描いたといわれたい」
じぶんの思いを、思わず見返した。
草間さんに、叱られたような気がして、勝手にうれしくなった。
2012-09-28 23:05
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