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不満はないが、不安がある [キャリア]

必ず読まないといけないとわかっていたのに、こわくて先延ばしにしていました。
そうしたら、敬愛する先輩にガツンと…

「俺、あのひと好き。すげえいいひとだよ」 

これはメッセージだと思い覚悟して一気読み。

絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち

  • 作者: 古市 憲寿
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/06
  • メディア: 単行本



希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)

  • 作者: 古市 憲寿
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/08/17
  • メディア: 新書



上野先生、勝手に死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください (光文社新書)

上野先生、勝手に死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください (光文社新書)

  • 作者: 上野千鶴子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/10/18
  • メディア: 新書


うわあ。

・・・うわあ、しか出て来なかった。 
ついに直面した…という感じ。何と?それは今の若者の感性と。それは、自分とは明らかに異なる部分。
同じ部分をみつめてごまかしてきたが、ついに圧倒的に違うものを見た。


「不満はないが、不安がある。」


それで、どうするのだ・・・

ある先生に言われた。「不満がないことは、自分がないことだ」 と。それが正しいかどうか、
今の私にはわからない。

著者にお会いしたことはないが、知性とユーモアと、そして何よりなんというか、覚悟のような
ものを感じる文章だった。それは 「あからさま」 に著すことを選んだ覚悟と、少し含羞のにおい。
だから、私はこの人の文章は、とても好きだ。
わかりやすく書いているかもしれないが一定の抑制があり、そして大事なことに「嘘」は感じない。


しかし、だとしたら、さらに大ごとだ!


おススメは上野先生との対談本。これは中高年以上のキャリアカウンセラーさん必読です。
これほど世代変化がくっきり見えやすい本は、そうそう現れないでしょう。


「親よりも、先に死にたい。」


これを言語化できる若い社会学者さんが、出て来てくださったことは我々に対する僥倖です。
しかし、この幸運に甘えてはいけない、と痛切に感じる。キャリア教育に携わる40代の人間として、
何が出来るのか、とこの1週間ずっと考え込む。
(今年は、考え込むことが多い…。只今リハビリ中です(笑))

社会で自分の居場所を見つけ、自分で生き続けられる力をつける、それが私のキャリア教育の定義。

どんなリソースを使っても良いとするなら、生涯何らかの庇護と依存の下に生き続けても、
それは一つの選択である。
しかし、それは 「自分で生き続けられる力」 と言っていいのか。
そこに、「自分」 はあるのか。
そも  「自分」 とは何なのか。 
…哲学的になることは、私のキャリア形成支援とは異なるので軌道修正。

仕事をする、何らかの役割を果たす一員として社会にコミットする、
そのことが、ヒトが生きていく上で絶対必要なことだと、論理的に説明する力を私はまだ持たない。
そうしたほうがいいよ、と説く思いだけでは、このひとたちは 「社会の一員」 にはならない。
「社会って、何ですか?」 と彼らの問いが聞こえる気がする。
戦後日本民主主義のありようを思う。 
…しかし誰かのせいにすることは、私のキャリア教育の姿勢とは異なるので軌道修正。

ひなに、親鳥がえさを運ぶ。
運ぶ。運ぶ。
あるとき、親鳥がいなくなる。
巣には、大きく育った鳥がいる。「えさって自分で取るんですか?」という鳥が。
その鳥が、空を飛びますように。
自分でえさを取らず、飛び方も知らないまま、ゆっくりと死んでゆくなどということがないように。
鳥が飛びたくないということは、空との信頼関係がないのかもしれないけれど…
「その森きらいなんですよ。えさなくても近場の森がいいです」
「入りたい森に入れないんですよ。入りたくない森には、入る気はないです」
そういう鳥を、責めることはない。
しかし、何か伝えなければならないことが、上の世代にはあるのではないか。

魚を釣ってあげるより、釣り方を伝えて釣りを見守る。釣る大変さと楽しさを伝える。
表層的なキャリア教育風味の取り組みでは、ここまでたどり着けない。
自分へのチャレンジを、続けます。
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